モップリンの強み、「塗り攻撃」について

本記事はガチエリアのルールを想定したもので、主に無印モップリンについて書かれています

自己紹介

 ちづると申します。大学院生をしています。最高XPはエリアの3088です。フィジカルモップリンという名前で潜っていた時期もあり、それで知っている方もいるかもしれません。ここ5年ほどはスロッシャーマルチであり、モップリンは出た当初から使い続けています。

はじめに

 Xマッチで味方にモップリンが来たとき、どんなことを考えますか?
①うわ、またサメかよ!信用できねぇな
↑まあわかる
②塗ってくれそうだし、キル寄りで動くか〜
↑ちゅき🥰
③これじゃ前線足りねぇよ〜
↑それな
④バケツの下位互換じゃん
↑うーん、、、

 上位帯のプレイヤーで④はあまり居ないかもしれないが、こんな感じだろうか。本記事を書く目的の一部としては、モプがどのようなブキか、実装から一年以上経った今でも、思ったより浸透しておらず、特に①のようにサメブキや強制確保ブキを一括りにするプレイヤーの理解増進というのがある。無論、強制確保に過度に依存し、サメの塗りナーフが行われてから3ヶ月経った今でも、依存し続けるサメ使いにも責任があるかもしれないが、、
 ②、③については的を得ている。モプは塗り中衛である。サメマシーンとしてよりは塗り中衛として見てほしい。互換としては、難しいが、わかば、スピコラあたりだろうか。メインの塗りが強く、SPで一時的に前でヘイトを持つ、スカーミッシャー的役割が出来る点も共通しており、その上でモプやスピコラはメインが短射程のキルブキに比較的強く、わかばは機動力とボムで長射程に比較的強いという特徴がある。
 ちなみに④については、そもそもバケツはキル前衛あるいは前中衛、モプは塗り中衛と役割が全く異なる。頑張って説明すると、瞬間塗り、継続塗り、射程、当たり判定、ライン維持、範囲火力、強制確保などの点でモプの方が優れている。     
一方、Xマッチのマッチングではバケツ、洗濯機、モプ、オフロが中射程スロッシャーとしてミラーマッチングされる。この中で、所謂ブキパワーが1番高いのは確かにバケツであるし、バケツジムvsモプオフロみたいな前衛不足なマッチングを誘発することもあるので、一概に④を的外れと言うわけには行かない。あと、俗に言う沼ジャン、沼凸している時のモプはバケツの劣化と言って差し支えない、本当にすまん。


ガチエリアルールにおける塗り


 モップリンは、前述のように塗り中衛である。モップリンについて語る前に、ガチエリアルールにおける「塗り」について、理解を共有しておきたい。ガチエリアには、確保するまで塗るとエリア内全てが塗られ、カウントが進み始めるという仕様がある。そのため、エリアさえ取ってしまえば、自動的に盤面有利となり、かつその均衡状況が続いているだけで、抑えと同様にカウントがどんどん進んでいく。同じ人数であれば基本的に塗りが強い方がじわじわ有利になるため、塗りが弱い方が攻めなければいけないことになる。SPの強さに差があるならその限りではないが、環境にいる塗りブキというのは大抵対面性能が控えめな代わりにSPが強いため、そのようなことは多くない。ウルショスシ、シマネ、わかば、モップリン(スペ強込)、R-PENなどを考えてみればわかりやすい。

モップリンの強み


 モップリンの強みは、一言で言うと、塗りながら攻撃する性能がズバ抜けていることである。これに尽きる。以下、塗りながら攻撃することを「塗り攻撃」と呼称する。
 基本的にこのゲームにおいて、SPなしには、塗りと攻撃は同時にはできない(しにくい)仕様になっている。 シューターをはじめ、多くのブキは、キル用の弾と塗り用の弾の使い分けを余儀なくされる。エリア内の敵をキルしようと多少移動しながら弾を撃っているだけでは、いつまで経ってもエリアは取れないのである。
 この理の例外となるのが、このワイパー種の縦振りと、スロッシャー種全般、弓の氷結弾、ダイナモなどのいわゆる範囲攻撃ができるブキである。つまり範囲攻撃というのは塗りと攻撃が同時にできる素晴らしい能力なのである。
 次に、塗り攻撃ができる個性を活かすには、まず射程、塗り、火力の3項目の両立が要求される。射程が短いブキは、射程が負ける多くのブキに引かされて前線維持しながらの塗り合いが難しい。特に意気揚々と詰めてくる52やデンタルなどの前線ブキに対しては、射程勝ちしていることが望ましい。また、塗りが弱いブキ、火力がないブキは、そもそも塗り攻撃が十分できていることになっていない。また、火力にはダメージの他に継続火力や当たり判定の大きさも含まれる。大きなダメージを与えられても、前隙やチャージ時間が長いと必然的に評価は落ちるし、当たり判定の大きさは対複数人の性能や、前線維持能力、エイム難度の易化に関わる。
 そしてその3項目に加えて、塗り攻撃を立ち回りの軸として据えるには、インク効率(シューターでは継続的な集弾率も)、SPの強さについても兼ね備えている必要もある。インク効率が悪いと、継続して塗り攻撃することは出来ないし、SPが弱いと、塗り合いながら溜まった相手のSPで押されてしまい、強い行動としての正当化があまりできなくなってしまう。射程、塗り、火力、いずれも両立させていたブキは悉く4項目目のインク効率を大幅にナーフされている傾向にある。2の初期のエクス、3のジムなどである。インク効率「30」%減などの数字は、塗り攻撃の立ち回りを成立させまいという運営の意図が感じられる。実際に、ジムだと、ヤガラエリアのエリアを挟んだ見合いの状況での縦振り連打がナーフ前ではめちゃんこ強かったが、今そのような立ち回りをしている人はいない。また、SPの強さには、塗り性能の多寡による、回転率も含まれる。

インク効率、SPの強さの2項目については、ギアである程度補うことができる。
 以上より、「塗り攻撃」を強い行動として用いるには、射程、塗り、火力、インク効率、SPの強さの全5項目を満たしている必要がある。

 

幾つか例を考えてみよう

フルイド2種

射程◎塗り△火力○インク効率〇SPの強さ×

ダイナモ無印

射程○塗り○火力○インク効率×SPの強さ○

バケツ無印

射程○塗り△火力○インク効率△SPの強さ○

ジムワイパー無印

射程◎塗り△火力○インク効率△SPの強さ△

デンタルワイパー無印

射程○塗り○火力△インク効率○SPの強さ○

モップリン無印(スペ強積み)

射程○塗り◎火力○インク効率○SPの強さ○

 

モップリンのSPの強さ○はほんまか??とお思いの方もいるかもしれないが、スペ強積み、圧倒的塗り性能とSPP190による高い回転率、塗り合いの状況における強さや、バリアカニ等強SPへの性能を加味すると過大評価とは全く思わない。

 

 以上より、スプラトゥーン3において、この5項目を多少のスペ強の枠を要求しながらも、無理なく満たしている唯一のブキがモップリンなのである(※ソナーは弱いため、無印に限る)

 


実戦における塗り攻撃


 モップリンの塗り攻撃できる強みは特に抑えや均衡でのエリア塗り維持の状況で輝く。中央に障害物等があれば、スロッシャーの特性を活かし、さらに一方的に塗り攻撃を通しやすい。コンブやネギトロ、オヒョウなどは強さがイメージしやすいだろう。
 モップリンの塗り性能は多くの塗りブキにも勝り、前述したように塗り負けや打開時の相手から行動を起こさないといけない状態での、当たり判定の広さを含む攻撃力はキルブキにも劣らない。(後者に関しては多少の贔屓目あり) つまりこの状況では、一人二役を高いバランスでこなせており、実質的に5vs4を作り出せているとも言える。これに関しては割と本気で思っている。さらにモップリンはメインク無積みで満タンから11回振ることができ、スペ増無積みでも試し撃ち場では7回振ればサメが溜まる。もちろん実戦の塗り合いではその速度では貯まらないが、事前に溜まっているゲージも込みで、インクが切れる頃にはスペ強サメライドがほぼ確実に溜まっており、リソースが尽きた相手へのダメ押しも可能であったりと、類を見ない塗り維持性能の高さをしている。
 相手視点、打開でのエリアの塗り合いという状況で、モップリンの塗りと攻撃への対処をしていた結果、5vs4の疑似的な人数不利状況が続くこととなり、リソース切れを起こし、横からローラーやブラスターに刺されたり、サメに破壊されたりで、エリアが取れないまま打開が仕切り直しとなり、そのままノックアウトとなることも多い。
 そのため、モプには、無理に前で抑えなくてもよく、周りを塗り固めつつ、キューバンのライン上げ遅延性能も活かし、エリア手前まで時間をかけつつ渡して、上記の状況にするという択もある。無論、モプが狙われたり、相手に塗りの集中をかけられたり、エリアがそもそも狭かったりで毎回そう上手くは行かないが、勝ち筋の一つとして、あるいはカウントを稼ぐ手段としては十分に成立する。

 

おわりに


 今回は、モップリンの最たる強みであると考える、塗りながら攻撃する、「塗り攻撃」性能の高さについて説明しました。疑問点などあればDMまでどうぞ。
 気が向けば、ギアや各場面における意識や編成における立ち回りの変化とかについても書くかもしれません。

 ではよきモップリンライフを送ってくださいモプ。